~その9~
「世界ナンバーワンのエフィカシー」
2005年10月、世界ゴルフ選手権の最終日、
タイガーウッズとジョンデーリーが優勝
争いをしていました。最終の18がんホー
ルが終わった段階で、同スコアで並び、
勝負はプレーオフに持ち越されたので
す。
そして、迎えたプレーオフ2ホール目。
タイガーは先にパーパットを決め、デー
リーが距離1メートルのパーパットを
決めれば、さらに次のホールへと勝負
が持ち越される場面。
タイガーは、なんとデーリーのパット
を本気で「入れ」と願っていたのでし
た。
おかしくありませんか?
デーリーがパットを外せば、タイガー
の優勝が決まるのに、本気で「入れ」
と思っていたのです。
なぜでしょうか?
これは、実はすごく簡単です。
もしも、タイガーが「外せ」と思う
ようなメンタルの持ち主であれば、
ここまでのゴルファーとして成功
してないはずです。
「外せ」と思ってしまうことで、
無意識に自分は相手と同じか下で
あると評価していることになって
しまいます。
わかりますか?
「相手が外すことで優勝ができる」
と考えるということは、
「外してくれないと自分は勝てない」
と自分にいっていることになります。
ところが「入れ」と願うことは「あい
つ入れてくんないと困る」「こんなの
外すようなやつと最後までプレーして
いたなんて、恥ずかしいんだ」と思っ
ていることになります。
「おれは世界最強のタイガーウッズで、
こんなところで入れないようなやつと
やってきたはずはない。おれはもっと
すごいやつなんだ」って思っていたわ
けです。
だから彼は「入れろ」と願ったわけです。
結果は、デーリーがパットを外して、
タイガーウッズが優勝しました。
しかし、タイガーウッズの表情はつまら
ない顔をしていたわけです。
これが、エフィカシーの力なのです。