~その5~
『コンフォートゾーンの罠』
繰り返しますが、スコトーマの重要な概念は
「私たちは何が欲しいのか知らない」
ということです。
スコトーマ(心理的盲点)というのは、
現状の中にいると見えないものすべて
です。
それは、現状の中が自分にとって慣れ
親しんだものであり、私たちは慣れ親
しんだものを重要と考えるからです。
コーチング用語で言うと「コンフォー
トゾーン」です。自分の心地よい領域、
つまり、現状というのはコンフォート
ゾーンなのです。
コンフォートゾーンでこそ力を発揮で
きるが・・・・・。
当然コンフォートゾーンにいるときは、
リラックスしている状態になります。
実は、私たちは、リラックスした状態
の時しかパフォーマンスを発揮できま
せん。
たとえば、サッカーは、ホームは強い
けど、アウェイは弱くなってしまいま
す。まさに、ホームはコンフォートゾ
ーンなわけです。
まずは、パフォーマンスを発揮するた
めにはコンフォートゾーンの中にいな
いといけない。
だから、私たちのマインド(脳と心)
は、現状維持を望むのです。ホメオス
タシス(恒常性維持機能)の力です。
ホメオスタシスによって、コンフォー
トゾーンから抜け出せなくなっている
のです。
たとえば、学校のテストの点数で考え
てみましょう。
ある学生が「自分はだいたい60点く
らいの人間だ」と無意識に思っている
としましょう。
この学生があるとき、90点を取ると
どうなるでしょうか?
次のテストでは、きちんと30点を取
ってしまうのです。そうやって、コン
フォートゾーンである60点を平均点
にしてしまうのです。
また、日ごろから
「お金が欲しい」
「お金になることはないかなあ」
などと思っている人が、なかなかお金
持ちになれないのも、「お金がない自
分」がコンフォートゾーンになってい
るからなのです。