1.ゴールから逆算した「今、あるべき自分」をコンフォートゾーンに
設定する。
「コンフォートゾーン=自分にとって居心地のいいゾーン」を設定
することを通じて、ゴールに向かって自らをステップアップさせて
いくのです。
たとえば、いま年収300万円の人が、「5年後に資産3,000万円
のお金持ちになる」というとりあえずのゴールを持っていたとしま
す。そのゴールから逆算して、「いまの自分は年収600万円を稼
ぎ出しているべき」である場合、「年収600万円」をコンフォー
トゾーンに設定します。
「コンフォートゾーンに設定する」とは、具体的にいうと徹底的に
その状態をリアルに想像することです。年収600万円の状態を丁
寧に細かく想像するのです。
そうすると、年収600万円を稼ぎ出すのにふさわしい仕事や生活
をしないと、現状の居心地の悪いところになります。
それで、「年収300万円ゾーンから早く抜け出そう。居心地のい
い年収600万円ゾーンに行こう」と無意識が勝手に働くようにな
り、自然と日常生活でもそういう行動を取るようになります。
コンフォートゾーンの設定は、そういう「マインド(脳と心)」の
機能を利用したステップアップの技術です。
2.「ホメオスタシス」をうまく利用する
人間の体にも、もともとサーモスタット機能が備わっています。
たとえば、「寒い冬には、皮膚の表面の毛細血管が収縮して、体温
が逃げないようにする」「暑い夏は、皮膚の表面の毛細血管を拡張
させt、汗をかかせることで体温を外に逃がす」といった機能がそ
うです。
このサーモスタット機能は「ホメオスタシス」と呼ばれています。
どんな環境にあっても、生体をより長く生き長らえさせるために、
安定的な状態を恒常的に維持しようとする機能です。
ホメオスタシスは生理現象だけではなく、生の営みのあらゆるシー
ンで発揮されます。人が変化を嫌うのだって、何か新しいことに挑
戦しようとすると臆病風が吹いて尻込みしてしまうのだって、ホメ
オスタシスの力が働くからです。
現状がいい状態であろうと、なかろうと、ホメオスタシスは「現状
維持」の方向で働くわけです。
人間のすごいところは、現状を維持しようと働くこのホメオスタシ
スを、意識的に自分の望む方向に向かせることができる点です。
言い換えれば、「現実に経験しなくとも、臨場感をもって想像する
ことで、現実に経験したのと同じ現象が現れる」ということです。
たとえば、トップアスリートなどが成長過程で「自分は優勝して表
彰台で観客に手を振っている」と強く何度もイメージすると、それ
が実現していくのです。
こういったことは、何を意味すると思いますか?
すでに「思い通りの自分になっている」と臨場感をもって想像する
と、ホメオスタシスはその想像を現実と思い込み、それを維持する
ために働く、ということです。
3.日頃から思考の抽象度を上げることを心がける
「最高の自分」を見つけるためには、思考の抽象度を上げることも
重要です。
「抽象度」とは、簡単に言うと、「物事をどのくらい高く広い視野
で見るか」その度合いを意味する言葉です。
たとえば、あなたがタマという名のアメリカンショートヘアのネコ
を飼っているとします。
その「タマ」という概念は、「アメリカンショートヘア」という概
念に含まれるので、アメリカンショートヘアのほうがタマよりも少
し抽象度の高い概念です。
さらに「ネコ」「ペット」「哺乳類」「動物」「生物」「自然」・
・・という具合に、一つの概念が含む世界を大きくしていくと、そ
の分だけ抽象度は上がっていきます。
このように、一つの事象を見る視点の高さを上げていくことがイコ
ール、抽象度を上げること。抽象度を上げるにしたがって、見える
世界が広がり、認知できる情報も増えていく仕組みです。
では、どうして抽象度の高い思考をしないと、「最高の自分」を見
つけることができなのでしょうか?
一言で言うとそれは、「最高の自分」は抽象度の高いところでしか、
感知できないものだからです。
とりあえずのゴール達成をしても、抽象度が低いままだと、スコト
ーマが維持される可能性が高いのです。
スコトーマとは、もともとはギリシャ語語源の医学・眼科用語です。
すべての哺乳類の眼球には、光を認識する受容体がない場所があり、
そこがスコトーマと呼ばれます。これを心理学用語として40年以上
も前からルー・タイス氏が心理学用語として使い始めました。
「人間には、心理的な盲点がある」=「スコトーマ」としたのです。
これは脳の機能の特徴で、我々は生体にとって重要な情報しか認識
することができません。なぜならば脳は入ってくるすべての情報を
処理しきることができなからです。そのため、脳が重要でないと判
断した情報がスコトーマになるのです。
そして、このスコトーマは生体としての脳の情報処理のみならず、
マインドとしての脳機能のレベルでも発生します。
これは、平社員あることに満足している人には、社長のなり方がス
コトーマに隠れて見えないことを意味します。同様に、資本主義の
中で満足している人にはもっと高次な価値がスコトーマに隠れて見
えません。
抽象度をどんどん上げればスコトーマははずれます。
スコトーマがはずれなければ「最高の自分」を見つけられず、ただ
ひたすら資本主義社会における成功を目指す人として、「ますます
お金の奴隷化していく」ハメに陥ります。
このスコトーマは、自分一人ではなかなかはずせないものです。
それをサポートするのが、コーチなのです。
以上、3つのポイントをしっかりマインド(脳と心)に刻み、
ゴール実現をしていきましょう!